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★ツレがうつになりまして。

(C)
2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会

『ツレがうつになりまして。』
〜「ツレ、どーした?」うつ病と向き合う夫婦の軌跡〜

(2011年 日本 2時間1分)
監督:佐々木清
原作:細川貂々(ホソカワテンテン)『ツレがうつになりまして。』『その後のツレがうつになりまして。』『イグアナの嫁』幻冬舎文庫
出演:宮崎あおい、堺雅人、吹越満、津田寛治、犬塚弘、梅沢富美男、田山涼成、大杉蓮、余貴美子他

2011年10月8日〜全国東映系ロードショー
公式サイト⇒  http://www.tsureutsu.jp/
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 「ツレがうつになりまして。」こんなにさらりと言えるなんてうらやましい!とツレウツ経験者の私はまず思った。でも本作を見ていると、この言葉を他人に言うことが、どれだけ勇気を出した行動であったかが分かるはず。原作者細川貂々のイラストを交え、大河ドラマ『篤姫』で夫婦役を演じた宮崎あおい×堺雅人が、うつ病を夫婦で克服する姿をリアルながら暖かく描く感動の夫婦物語だ。
 売れない漫画家の晴子(宮崎あおい)をいつも暖かく支え、自分のことは朝起きることから弁当作りまできっちりやる夫ことツレ(堺雅人)。そんなツレが突然包丁を片手に「死にたい」とつぶやく。体調不良を風邪と決め込んでいた晴子は、ひょっとしたらうつ病かもと病院に行くことをすすめ、ついにはストレスの原因となっている会社を辞めさせて、自宅で療養することにしたのだが・・・。
 仲の良い夫婦だからこそ、妻に迷惑をかけたくないとガンバってしまうツレの姿が痛々しい。一方、今までしっかり者のツレを信じてマイペースに漫画を描いてきた晴子は、ツレの一大事に逃げることなく立ち向かう。実話に基づいたシビアな話だが、宮崎あおい、堺雅人が演じることでリアリティーだけではなく、ほっとさせるような夫婦の機微を垣間見せる。ペットのイグアナ「イグ」がツレにペタリと寄り添う姿にも癒される。
 勢いよくツレを退職させた晴子だが、書きたいものが見つかってないことを編集部に見透かされ、連載を打ち切られていた。生活のために切羽詰って、出版社で編集部に食らいついた一言「ツレがウツになりまして・・・仕事をください!」は晴子自身がウツと闘うことの壁を乗り越え、外の世界に助けを求めることができた輝かしい瞬間。うつ病が他人事ではない世の中だからこそ、晴子のツレウツをカミングアウトする姿に救われる人も多いはず。本作のタイトルはそんな意味深い言葉なのだ。
 一進一退を続けるツレの病状に寄り添い、観察する中で、描きたいことを見つけた晴子。時にとてつもない孤独に襲われながらも、晴子と一緒に自宅で仕事をするようになったツレ。「なぜうつ病になったかよりも、うつ病になった意味を考えてみた」と晴子が語ったように、夫婦の大きな転機となった出来事は、ただ苦しいだけではなく夫婦の新しい一歩を踏み出させてくれた。うつ病と闘う患者や家族の姿を真正面から描き、試練を乗り越える夫婦の軌跡を浮かびあがらせたリアルストーリーは、きっと多くの悩める夫婦たちを勇気づけるに違いない。
(江口 由美)ページトップへ
   
             
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