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★津軽百年食堂 |
(C) 2011「津軽百年食堂」製作委員会 |
『津軽百年食堂』
〜オリラジが熱演!津軽の桜に誓う4代目の心意気〜
(2010年 日本 1時間46分)
監督:大森一樹
原作:森沢明夫著『津軽百年食堂』(小学館)
出演:藤森慎吾、中田敦彦、福田沙紀、伊武雅人
2011年4月2日〜シネ・リーブル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸ほか全国順次公開
公式サイト⇒
http://tsugaru100-movie.com/ |
今の世の中、何事も「続ける」ということはそう簡単ではない。本作に登場するのは100年近く親子3代に渡って受け継がれてきた津軽のとある食堂だ。映画初主演となるオリジナルラジオの藤森慎吾と中田敦彦が、世代を越えて津軽そばの味を伝える食堂の物語を紡いでいく。
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日露戦争が終わった明治時代末期、賢治(中田敦彦)は戦争で夫を失ったトヨ(早織)と娘フキの協力のもと、弘前で津軽そばの屋台を営んでいた。賢治が紆余曲折を経てトヨたちと「大森食堂」を始めてから約100年が経ち、4代目の陽一(藤森慎吾)は上京したものの就職に失敗してフリーターの日々。3代目の父哲夫(伊武雅人)が倒れ、帰ってきて店を手伝ってほしいと祖母に告げられた陽一は、久しぶりに弘前に戻るのだが・・・。 |
初代を演じる中田の実直な明治男ぶりもはまり役だが、何といっても4代目を演じた藤森の“チャラ男キャラ”を払拭するテンポとキレのいい演技ぶりが魅力的だ。持ち前の明るさを発揮して、気持ちよく観る者をストーリーに引きずり込む。同郷で父親が写真館を営んでいた福田沙紀演じる七海とのエピソードが、若者の恋や仕事、故郷に対して揺れる気持ちを爽やかに表現。老舗ならではの父との葛藤はあれど、地元に帰れば祖母や家族
、友人の輪にすっと入って、さくらまつりの出店に向けて頼もしいリーダーシップを発揮していく陽一の姿は、哲夫ならずとも「大森食堂」の未来に明るい光を見出すことだろう。 |
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監督は、もう一つの最新作『世界のどこにでもある、場所』も現在公開中の大森一樹。青森ロケのシーンをふんだんに取り入れ、青森発の世代を繋ぐ新しい青春物語を風情豊かに描いている。クライマックスの弘前公園さくらまつりは、素直に「日本に生まれてよかった」と思える名シーンだ。初代の屋台を再現した大森食堂や、町をあげてのお祭りの雰囲気、そして初めて見たオートバイサーカスなど迫力満点で、とても新鮮だった。 |
東日本大震災が起きた今となっては、北国の美しさと人情を暖かく伝える映画として、尚のこと本作が意味深く感じられる。大森監督の確かな手腕で描かれた「世代を超えて受け継ぐ力」は、家族や故郷の人たちの絆に改めて触れる機会を与えてくれることだろう。
最後に、本作の舞台となった青森をはじめとする被災者の方々に、安らげる日が早く戻ってくることを心から祈ってやまない。
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