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★トゥルー・グリット

(C) 2010 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.
『トゥルー・グリット』 (TRUE GRIT)
〜真の勇気を引き出す、少女のまっすぐな瞳〜

(2010年 アメリカ 1時間50分)
監督:イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン
出演:ジェフ・ブリッジス、マット・デイモン、ジョシュ・ブローリン、ヘイリー・スタインフェルド

2011年3月18日〜TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、
TOHOシネマズ梅田 ほか全国ロードショー
公式サイト⇒ http://www.truegritmovie.com/intl/jp/




 夕陽の荒野を駆け抜け、暗い林を切り裂き、凍てついた満天の星の下をひた走る一頭の馬。馬上の男が抱えているのは毒蛇に咬まれた少女で一刻を争うのだ。やがて斃れこんだ馬を男は撃つ。それはそうすべきだったから。そんな、するべきことを迷わず実行する意志、それを“勇気”と呼ぶのだろう。少女を抱えた男は、今度は自分の足で走り出す。

 西部劇の巨人ジョン・ウェインが初めてアカデミー賞に輝いた1969年の作品『勇気ある追跡』の原作を、コーエン兄弟監督がリメイク。父を殺された14歳の少女が先住民居留区に逃げ込んだ犯人を追うために雇ったのは、隻眼で飲んだくれだがトゥルー・グリッド(真の勇気)を持つといわれる連邦保安官だった。少女と保安官、それにテキサス・レインジャーの青年が加わった3人の旅。米国の神話的風景とも言うべき、開拓時代の終りの西部で繰り広げられるコーエン兄弟大得意の題材“追跡”がつまらない訳がない。冬の寒々とした空気のなかに挿し込まれた詩情と乾いたユーモアがたまらない。

  保安官役のジェフ・ブリッジス、レインジャーのマット・デイモンももちろんいいが、少女を演じたヘイリー・スタインフェルドが素晴らしい。彼女の強い意志を湛えたまっすぐな瞳こそ、この作品を貫くテーマ、正義を信じる米国の魂だ。
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