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★プリンセス トヨトミ

(C)2011 フジテレビジョン 関西テレビ放送 東宝
『プリンセス トヨトミ』
〜大阪国民が立ち上がる!
万城目ワールド全開の歴史エンターテイメント〜


(2011年 日本 2時間)
監督:鈴木雅之
原作:万城目学『プリンセス・トヨトミ』(文藝春秋)
出演:堤真一、綾瀬はるか、岡田将生、中井貴一、沢木ルカ、
    森永悠希他

2011年5月28日〜全国東宝系ロードショー
公式サイト⇒http://www.princess-toyotomi.com/
 “The 大阪”なエンターテイメント映画として、これほどふさわしい作品はないだろう。何せ、大阪夏の陣で全滅した豊臣家の末裔の謎に迫るのだから。とはいえ、そこには驚くべきオリジナリティー溢れるストーリーがあるのだ。原作は、『鹿男あをによし』で奇想天外な万城目ワールドを印象付けた万城目学。大阪城天守閣を背に、空堀商店街や小学校、大阪府庁など大阪のど真ん中を舞台に繰り広げられる“もう一つの隠された歴史”の物語を堪能したい。













 東京から大阪に出張でやってきた会計検査院の精鋭3人組。鬼と呼ばれる松平(堤真一)をはじめ、日頃は天然ぶりを発揮するものの時に“ミラクル”を巻き起こす鳥居(綾瀬はるか)、日仏ハーフのクールなエリート旭(岡田将生)とそれぞれのキャラが集まるとコミカルな化学反応を始める。大阪名物お好み焼きから串カツ、たこ焼きまで美味しそうにパクパク食べる鳥居役の綾瀬はるかのコメディエンヌぶりがいい。一方で次第にOJOという機関への不信感を強めていく松平と、その様子を静かに見守るお好み焼き屋主人の真田(中井貴一)の間には、戦国武将が相手の出方を伺うような静かな緊張感がみなぎる。

 自分のアイデンティティーを一生懸命表現しようとしている真田の息子、大輔(森永悠希)の存在も見逃せない。女の子になりたいと願い続け、セーラー服で登校しはじめた大輔の葛藤や、学校でのいじめが描かれる一方で、大輔を守ろうとする幼馴染の茶子(沢木ルカ)の勇ましい飛び蹴りがさく裂する。守るべき存在にそうとは知らず守られていた大輔が、反目していた父親から真実を聞かされたとき、はじめて父親が背負ってきた重責を理解するのだ。大阪国民の父から子へ受け継がれるもの、ただ“ある人を守る”ことを表に出すことなく何百年も続けてきた歴史、悔しいがこれが男のロマンなのかもしれない。

 クライマックスの大阪国民決起のシーンは、実際に大阪府庁前の道路を閉鎖して夕方から翌日朝まで徹夜で撮影が行われ、約5000人のエキストラが決起した“大阪国民”を熱演。私も早朝組でエキストラ参加し、最後の某シーンで雄たけびを上げた一人である(笑)。お盆まっただ中の酷暑で、ワンシーンごとに吹き出る出演者の汗を拭き、メイクを直しての撮影風景を垣間見ながら、この熱気がスクリーンから伝わることを切に祈った。彼ら国民をバックに、お好み焼き屋主人もとい大阪国総理大臣、真田と、会計検査院松平のぶつかり合いを堤真一と中井貴一が秘めたる気迫で魅せる。大阪三昧の歴史エンターテイメント、独創的なストーリーと笑いの中にしっかりと大阪気質が刻まれている。
(江口 由美)ページトップへ
   
             
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