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ザ・トーナメント
『ザ・トーナメント』 (THE TOURNAMENT)
〜忌憚なく言うと、ハチャメチャ滅茶苦茶な映画だ〜

(2009年製作 イギリス 1時間35分「R-15+」指定映画)
監督:スコット・マン
出演:ロバート・カーライル、ケリー・フー、ヴィング・レイムス、
    イアン・サマーホルダー、リーアム・カニンガム、
    セバスチャン・フォーカン、スコット・アドキンス

2012年2月18日(土)〜銀座シネパトス、3月3日(土)〜シネ・リーブル梅田などで全国順次ロードショー
公式サイト⇒ http://www.thetournament-movie.com

 イギリス映画がハリウッド・アクション映画的をクリエイトした作品である。まるでバイオレンスなアクション・シーンをわざとのように作るべく、シチュエーションを設定している。オリンピックの4年に1度の開催のように、7年に1度、世界の殺し屋たちが集まり、殺し合いをして最後の1人になるまで戦うという大会がある。今回は今年五輪が開催されるロンドンで行われるという設定だ。それに対して、富裕層のいろんな人たちが誰が勝つかに賭けをする、賭博性を盛り込んで勝負は展開する。しかも、ロンドン市街で殺し合いが展開するが、テロやら無差別殺人やらがあふれていて、この戦いでの死もその種のものに括られる感じで、問題はない。
 警察よりも大会主催者側の方が、立場的には上であるという設定になっている。その上で、殺し合いがノンストップで展開するのが本作だ。はっきり言って、荒唐無稽にしてメチャクチャな映画と言えばそれまでだが、今のハリウッド映画には欠けているような、トンデモ・アクション映画のタッチが次々にやってくることで、ある種の爽快感さえ覚えるような映画になっているのが本作の強みだろうか。

 サバイバル映画にしてバイオレンス映画にしてゲーム感覚の映画。『スピード』(‘94)などを思い出させる、カーチェイスなアクション・シーンも展開していく。そんな中でも、ポイントとなる人物は、ロバート・カーライルがまず挙げられる。アル中の神父役だ。酔いつぶれてる間にどういう訳か、殺し合い大会へ参加する羽目になった彼の存在は、本作においては見事な狂言回し役になっている。殺し屋だらけの中で、彼だけが右往左往しているのだ。でも、中国人美女設定の女殺し屋役ケリー・フーのサポートを得て、タイムリミットが施されたこの殺し合いタイムを生き抜いていく。

 そして、最後には3名だけが残り……。監視カメラが至るところに設置されていて、それを随時見ている者たちのシーンが適宜挿入されていくのだが、それらのブルー・トーンの映像は本作のアクション・シーンと巧妙にリンクしていく。最後のどんでん返しには、やられたーと思うに違いないぞ。きっと、ハリウッド映画的な魂がここにあるのだ!? と思いますよ。

(宮城 正樹) ページトップへ
(C) Mann Made Limited 2009
   
             
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