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★ザ・タウン

(C) 2010 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES

『ザ・タウン』 (THE TOWN)
〜大金奪取の犯罪映画に、恋愛映画の色が入ると…〜

(2010年製作 アメリカ 2時間5分)
監督・脚本:ベン・アフレック
出演:ベン・アフレック、レベッカ・ホール、ジェレミー・レナ、ジョン・ハム、ピート・ポスルスウェイト、クリス・クーパー

2011年2月5日(土)〜丸の内ルーブル、新宿ピカデリー ほか
梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、T・ジョイ京都、神戸国際松竹ほかにて全国ロードショー
・試写会プレゼントあり⇒こちら
・公式サイ⇒ト
http://www.thetownmovie.jp
 映画俳優にして映画監督もやってしまうという方は、ハリウッドに限らず余りにも多くいる。クリント・イーストウッドなどは、そのなかでも巨匠クラスの巨匠。もともと映画監督のメインとなる仕事とは演出、いわゆる役者の演技を引き出すことだ。その意味では、役者が監督をするというのは、自ら実演しているだけにかなりの説得力を持つ。そして、1作目は日本未公開作品となったのだが、ベン・アフレックが自ら主演して監督した、監督第2弾が本作である。
 しかも、ハリウッドのネタ不足がいろいろ言われて久しい今の時代に、堂々たるオリジナル脚本だ。銀行強盗・現金輸送車襲撃事件が人口密度を考慮に入れると、世界で一番多い街らしい、ボストンのチャールズタウンを舞台に、ベン・アフレックのチームが犯罪を繰り返していく。銀行強盗ものなんて、ありふれていると思う人もいるかもしれない。大金狙いの犯罪チームもの映画といえば、確かに結構ある。
 大ヒットした作品を見てみれば、例えば『オーシャンズ11』(2001年)『オーシャンズ12』 (2004年)。でも、この『オーシャンズ』映画はスマートな感覚があったけど、本作はちょっとドロドロが入っているかもしれない。その一因は、アカデミー賞作品賞を受賞し、自らも主演男優賞の候補に挙げられた『ハート・ロッカー』(2009年)のジェレミー・レナーの演技である。『ハート・ロッカー』の冷静沈着ぶりな狂気が、本作では非情感を包み隠さずにストレートに演じている。カーチェイス、銃撃戦などはもちろん、犯人グループと刑事との一大決戦では、強烈な印象を刻んでいる。
 ただし、非情な作りが本作の肝ではない。そういうアクション映画は数多く存在し、お客さんは壮絶だったなーと振り返れるが、本作にはラブ・ストーリー・パートも入れて、お口直しをするような方向性もある。さて、その恋愛描写は必ずしも甘やかとはいえないにしても、普通の犯罪映画には出せない色合いを添えているので、ぜひ注目してもらいたい。また、ワン・シークエンスしか出ないが、ベン・アフレックと父役クリス・クーパーとの、弦楽オーケストラを流しての絆描写部もチェックしたいところ。
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