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★探偵はBARにいる

(C)2011「探偵はBARにいる」製作委員会
『探偵はBARにいる』
〜熱血探偵と脱力系相棒のコンビがしかける
                  探偵エンターテイメント〜

(2011年 日本 2時間5分)
監督:橋本一 
原作:東直己『バーにかかってきた電話』ハヤカワ文庫
出演:大泉洋、松田龍平、小雪、西田敏行他

2011年9月10日〜新宿バルト9、梅田ブルク7、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、109シネマズHAT神戸他で全国一斉公開
公式サイト⇒  http://www.tantei-bar.com/




 カウンターに座るとタバコのPeaceと大田胃散とシングルモルトがさっと出てくるBar「ケラーオオハタ」。依頼はこの店の固定電話という独自のスタイルが、昭和の探偵を彷彿とさせる。北海道一の繁華街であり歓楽街ススキノを舞台に、大泉洋×松田龍平の新コンビが繰り広げる探偵エンターテイメントは新しくて、どこか懐かしい。

 札幌・ススキノのBar「ケラーオオハタ」に俺(大泉洋)へコンドウキョウコという女から依頼の電話がかかってきた。しかしその依頼がもとで組関係者(高嶋政伸)に連れ去られ、命の危険にさらされる羽目に。相棒の高田(松田龍平)とコンドウキョウコを調べるうちに、実は放火事件の被害者であったことや、不慮の死を遂げた実業家の霧島(西田敏行)の存在が浮かび上がる。しかもその妻は、俺の目に焼き付いたクラブの美人オーナー沙織(小雪)だった。

 大泉洋演じる探偵の”俺”が危険を顧みないで突っ走るタイプなのに対し、相棒の高田演じる松田龍平の本当は強いという設定ながら、ゆるい脱力系なのが新鮮だ。クサいキメ台詞を連発する俺の横で、そのいきおいを受け止めるベストな相棒。ごきげんを損ねると動かない火を噴く車、高田号と合わせて、最強の相棒たちに囲まれた俺の奮闘ぶりは雪の中へダイブや、土埋めならぬ雪埋めなど、北の国ならではのアクションでも楽しめる。

 探偵に依頼の電話をよこしてきたコンドウキョウコの正体や彼女の真の狙い、依頼を実行するたびに命をねらわれる羽目になる訳など、さまざまな伏線をたどりながら真相にたどりつくまで、あわてずじっくり見せていく。スリルよりも人間ドラマを見せようというところが“俺”探偵シリーズらしい。ススキノのならではの味のある住人や、裏通りの街並みが北国歓楽街特有の風情を醸し出し、作品の大きな魅力になっている。極めつけは、エンディングに流れるカルメン・マキの『時計を止めて』。お酒を片手に見たい昔かたぎの探偵エンターテイメントだ。
(江口 由美)ページトップへ
   
             
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