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『スーパー・チューズデー 
〜正義を売った日〜』
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スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜

(C) 2011 Ides Film Holdings, LLC
『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』
(The Ides Of March)
〜実話かも…?“大統領候補”の犯罪〜

(2011年 アメリカ 1時間41分)
監督:ジョージ・クルーニー
出演:ライアン・ゴズリング、ジョージ・クルーニー、
    フィリップ・シーモア・ホフマン、ポール・ジアマッティ、
   マリサ・トメイ、ジェフリー・ライト、エバン・レイチェル・ウッド、
    マックス・ミンゲラ

2012年3月31日(土)〜丸の内ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹他全国ロードショー
公式サイト⇒ http://supertuesday-movie.com/

 アメリカの政治が物騒なことは早くから知っている。差別に抗議したマーティン・ルーサー・キング牧師もマルコムXも暗殺された。衛星を使った初の日米同時中継の第一報として飛び込んできたのはジョン・F・ケネディ大統領暗殺の衝撃ニュースだった。テキサス州ダラスでパレード中、射殺された映像はその後、何度見たことか。弟ロバートも後に同じ運命をたどった。本と映画で見聞きしただけだが、多人種国家アメリカ、とりわけ政治の世界では反対意見は抹殺する、と知った。半面、ニクソン大統領の犯罪(ウォーターゲート事件)を暴いた映画「大統領の陰謀」が示すように“アメリカの正義”も生きている。アメリカは何でもありの国ということを「スーパー・チューズデー」は改めて再認識させる。
 ペンシルバニア州知事モリス(クルーニー)は大統領目指して民主党予備選に立候補、カリスマ性もありライバル候補に差を付けて優位に立つ。30歳の若き広報官スティーヴン(ライアン・ゴズリング)はやり手で能力もあったが、ライバル候補の選挙参謀の誘いにうっかり乗ってしまい、その夜、セクシーな女性スタッフ、モリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)と一夜をともにする。彼女から大統領候補のスキャンダルを耳にする。
 だが翌日、醜聞の中身を知らせるまでもなく、スティーヴンはあっさりクビに。対立候補の選挙参謀の誘いを受けただけでもう失格だった。野望に燃える彼は耳にした話を利用すべく画策するが、ある夜、大統領候補に呼ばれて部屋に行くと、部屋にはモリーの死体が横たわっていた…。
 正義を売り物にして戦う彼らの正義とは一体何か? 欲と泥にまみれた選挙の裏側が赤裸々に見えてくる。実際に04年、民主党予備選で有力候補のキャンペーン・スタッフを勤めたボー・ウィリモンの戯曲をもとに「オーシャンズ11」などの娯楽作で知られるジョージ・クルーニーが監督した。クルーニーは赤狩り批判した「グッドナイト&グッドラック」で知られるように、天下国家をこうして真面目に考えられる論客。原作のリアリティといい、クルーニーの真っ直ぐな姿勢といい、考えさせるリアルな娯楽作。本人は「政治に興味はない」と言うものの、ロナルド・レーガン元大統領より政治センスはいいかも知れない。

(安永 五郎) ページトップへ

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