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★シュアリー・サムディ

(C) 2010「シュアリー・サムデイ」製作委員会
『シュアリー・サムディ』
〜人生の一髪逆転を狙うバカな男たちの
                   青春フルスロットル〜

(2010年 日本 2時間02分)
監督:小栗旬    脚本:武藤将吾
出演:小出恵介 勝地涼 鈴木亮平 ムロツヨシ 綾野剛 
    小西真奈美
 
2010年7月17日(土)〜梅田ピカデリー 梅田ブルク7 アポロシネマ8 なんばパークスシネマ MOVIX京都 神戸国際松竹 TOHOシネマズ西宮OS MOVIX橿原 ジストシネマ和歌山 他にて全国ロードショー
・舞台挨拶レポート⇒ こちら
・公式サイト⇒
   http://www.surely-someday.jp/index_pc.html
 人気俳優・小栗旬が監督を務めた話題作『シュアリー・サムデイ』。俳優が映画監督に乗り出すことはよくあることだが、小栗の挑戦は史上最年少とのこと。しかも、インディペンデントではなく配給は松竹というビックプロジェクトだ。失敗すれば演技者としての評価も落としかねないリスクを承知の上で、よく決断に踏み切ったと感心する。肝心の映画も予想以上の完成度で、本広克行監督や中村義洋監督を髣髴させるような若さ弾ける痛快青春エンタテインメントに仕上がっていた。どうやら小栗には“リスク”を“チャンス”に変える度胸と人徳があるらしい。
 物語の主人公はタクミ(小出恵介)キョウヘイ(勝地涼)カズオ(鈴木亮平)シュウト(綾野剛)ユウキ(ムロツヨシ)の5人。彼らは高校時代に“モテたい”思いが空回りした結果、学校爆破事件を起こしてしまった落ちこぼれ。それから3年経った現在も過去を清算しきれない5人は、未来を悲観してくすぶり続ける日々を送っていた。そんなある日、ヤクザとなったカズオが3億円の入ったカバンを謎の女(小西真奈美)に盗まれたことから、5人はヤクザのボス・亀頭(吉田鋼太郎)から執拗に追いかけられるはめになる。
 テーマは「バカで最強だった俺たちを取り戻す!」。最悪の状況を逃げ切れば、今後の人生が変わるかもしれないという、純粋で友情に熱い男たちの必死な生き様をスピーディーかつユーモラスに描く。ちなみに、“バカ”の定義とは人それぞれ感じ方が違うかもしれないが、本作においては、信じる物に向かってなりふり構わず突っ走る青臭さのことだろう。悪く言い換えれば「自己中心的で空回り」となるが、最悪な瞬間に背を向けないと決めた5人の決意と行動は、バカでダサくとも好感がもてる。
 また、ストーリーには時間軸や人物を用いた伏せんがいくつも隠されており、最後まで鮮度を失わずに鑑賞できる。序盤はどうしても小栗旬の存在を透かして「どんなもんじゃい」と“評論家目線”で見てしまうが、出演者のキャラクターが確立されてくる頃には、1人の監督として認める自分がいた。なぜなら、スクリーンから彼の映画に対する愛情の深さが手に取るように伝わってくるから。守りに入らず、がむしゃらに走り抜けた本作は、小栗自身の青春の集大成と言えるかもしれない。
(中西 奈津子)ページトップへ
   
             
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