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★ソーシャル・ネットワーク
『ソーシャル・ネットワーク』 (原題:THE SOCIAL NETWORK)
〜19歳の大学生が築き上げた新世界の光と影〜

(2010年 アメリカ 2時間)
監督:デヴィッド・フィンチャー
原作:ベン・メズリック(青志社刊『Facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男』)
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク、ルーニー・マーラ他

2011年1月15日〜梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、OSシネマズミント神戸他全国でロードショー
公式サイト⇒ http://www.socialnetwork-movie.jp/
 世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)であるFacebookを19歳で創設、世界で最も若い億万長者となったマーク・ザッカーバーグ氏。日本でも来年Facebookのブレイクは確実と言われ、今非常にホットな話題となっている。本作は、鬼才デヴィッド・フィンチャー監督がマーク・ザッカーバーグ氏と彼を取り巻く様々な人間関係を絡めながら、Facebook設立のきっかけから、今に至るまでを緊迫感溢れるヒューマンドラマとして描いた意欲作だ。
  2003年10月、ガールフレンドと口論の末、別れを切り出されたマーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、自分が通うハーバード大学の寮で女子生徒の人気投票サイトを瞬時に立ち上げる。学内に名前を知られ、同時に女子学生のひんしゅくの的となったマークが次に考えたのは、ウェブ上で大学の社交場を作ること。親友のエドゥアルド・サヴェリン(アンドリュー・ガーフィールド)と共に立ち上げた新サイトはあっという間に他大学にも広がっていったのだが・・・。
 冒頭でガールフレンド、エリカ(ルーニー・マーラ)とマークのすさまじい会話を繰り広げるシーンが登場、テンポよく見る者をハーバード大学生が暮らす世界に引き込んでいく。ナップスター(無料音楽配信サービス)の社長、ショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)との出会いと彼のカリスマ性に惹かれる一方で、共同経営者のエドゥアルドと溝が深まる様も描かれ、その語り口やストーリー展開はむしろ古典的といえよう。一方、一番注目を浴びる存在のマークが、従来のヒーロー像とは一線を画した存在なのは非常に興味深い。友達を作りたい、彼女に振りむいてもらいたいという気持ちを表に出せず、ネットの社交場づくりに全勢力を注ぐ。リアルの世界で人とうまく付き合えない人が増えている現代の若者を象徴しているかのようだ。
 マークが抱えている様々な訴訟の場と過去の出来事を行き来しながら、それぞれの言い分が平等に語られ、ただの成功ストーリーではない成功の闇の部分もありのままに描かれる。単なる青春物語やサクセスストーリーに留まらない奥深さを感じることだろう。デヴィッド・フィンチャー監督とジェシー・アイゼンバーグが作り上げたオリジナリティー溢れるマーク像は、膨大な会話を武器に、まさに本作の要として観た後も印象に残ること間違いない。
(江口 由美)ページトップへ
   
             
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