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★裁判長!ここは懲役4年でどうすか

(c)2010「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」製作委員会
『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』
〜主役は傍聴人!前代未聞の裁判エンターテイメント〜

(2010年 日本 1時間35分)
監督:豊島圭介
原作:北尾トロ『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(鉄人社/文春文庫)
出演:設楽統(バナナマン)、片瀬那奈、螢雪次朗、村上航、尾上寛之、鈴木砂羽他

2010年11月6日〜シネリーブル梅田、11月13日〜京都みなみ会館、11月20日〜シネリーブル神戸ほか順次公開
公式サイト⇒ http://www.do-suka.jp/
 2009年5月に日本でも裁判員制度が導入され、裁判というものをかなり身近に感じるようになった人も多いだろう。映画でもドラマでも裁判ものといえば感動的なシナリオが用意されているのが常だが、本作はかなり毛色が違う。というのも、主役は裁判官でもなければ、検事でも原告でも被告でもない。事件に何の関係もない傍聴人なのだから。
 三流ライターのタモツ(設楽統)に突然映画の脚本を書いてほしいとの依頼が飛び込んだ。依頼主は美人プロデューサーの須藤光子(鈴木砂羽)。「愛と感動の裁判映画」を熱望されたタモツは初めて裁判所に足を踏み入れるが、愛と感動どころかツッコミどころ満載の法廷ばかり。次第に“傍聴マニア”と呼ばれる傍聴の常連と仲良くなったタモツは、彼らのマドンナ、美人鬼刑事マリリン(片瀬那奈)にキツイ言葉を浴びせられ・・・。
 原作は北尾トロ『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』。裁判傍聴ブームに火を付けたと言われる同作には、様々な裁判シーンが登場する。裁判の内容もさることながら、傍聴マニアたちが裁判官や検事たちの特徴を面白おかしく解説するのも笑える。法廷という場にいるのは皆同じ人間。裁判長から被告、そして傍聴席まで本作にかかると、面白人間大集合なのだ。傍聴人という第三者的視点のなせる技なのだろう。
 映画初主演のバナナマン設楽統のひょうひょうとした演技が、“傍聴者”というスタンスにスルリとはまっている。螢雪次朗はじめ、個性豊かな俳優たちが演じる傍聴マニア飲み会での傍聴談議は、タモツになった気分で傍聴の醍醐味を味わえる本作でもお気に入りの場面だ。彼らの夢“逆転無罪判決”傍聴に向かって盛り上がっていくラストも、裁判映画ではありえない下りが用意されていて観る者をハッとさせる。裁判を「覗き見る」ところから、「人が人を裁く」ことへの問題意識を持つようになったタモツの成長は、観ている者の気持ちと重なることだろう。最後に、鈴木砂羽の怪演ぶりにもご注目あれ!
(江口 由美)ページトップへ
   
             
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