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★ロボジー

(C) FUJI TELEVISION,TOHO,DENTSU,ALTAMIRA PICTURES
『ロボジー』
〜人生最後のアドベンチャー!?
73歳ジイさん主役の癒し系コメディー誕生〜


(2011年 日本 1時間51分)
監督:矢口史靖
出演:五十嵐信次郎、吉高由里子、濱田岳、川合正悟、川島潤哉、和久井映見他

2012年1月14日〜全国東宝系ロードショー
公式サイト⇒ http://www.robo-g.jp/
 『ウォーターボーイズ』、『スウィングガールズ』と青春一直線コメディーを発表してきた矢口史靖最新作は、監督オリジナル脚本のコメディーながらぐっと平均年齢がアップ!ロボジー=ロボット+ジイさんだなんて、こんなことを考えつく矢口監督はスゴイと思う一方、私にはロボジー=ロボット+ファンタジーにも見えた。ありえない設定から生まれる物語は、家族との絆や失われたやりがいのようなものを取り戻すジイさんの最後のアドベンチャーなのだ。
 73歳で夢の映画初主演を果たした五十嵐信次郎ことミュージシャン、ミッキー・カーティスの等身大ジイさんぶりが、ハンパなくリアルで田舎の我が義父が目の前に浮かんでくるぐらい。自動販売機を見つけてはワンカップ王関を買い、たまに来た娘や孫たちについうるさいことを言ってしまいウザがられる。家の中ではシャツとパッチでウロウロ、たまに社交場に出かけてもかわいそうなボケジイさん扱いで、馴染めず退散とは・・・。そんな孤独な日々から一転してロボットの中に入り脚光を浴びる日々がやってくる。気持ちがつながらなかった孫ですら憧れの目でサインをほしがるのだから、“ロボジー”が暴走するのも無理はない。
 木村電器の社員三人には、責任感があり誠実な小林演じる濱田岳をはじめ、Wエンジンのチャンカワイこと川合正悟も出演。窓際社員が突然脚光を浴びることになり、“ロボジー”に振り回されるドタバタ劇を意気揚々と演じている。超昭和な雰囲気を醸し出す木村電器とそのロボット、「ニュー潮風」は、会社やロボットを愛する人たちの「夢」を託され、その「夢」のために中にジイさんが入っているという嘘をつき通さざるをえない。社員たちの葛藤をよそに、「夢」を裏切ることがいかに人を傷つけるか分かっているからこそ、ロボットの中に入っていたジイさんが最後に下した決断は見事な幕引きだった。誰の夢も壊さず静かに夢と自分の喜びを葬るなんて技は、若い者にはできないだろう。
 ロボットオタクならウキウキするような博覧会での現役名物ロボット対決や、ロボットに恋するテンション高いオタク女学生役の吉高由里子の絡みを盛り込みながら、ロボットに託す「夢」と現実のギャップをジイさん主演のほんわかコメディーに仕立て上げた矢口監督。エンディングの『MR.ROBOT』には懐かしさも満点、田舎のジイさんの顔が見たくなる人続出ではないだろうか。家族をつなぐ素敵な映画をありがとう。
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