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★ペルシャ猫を誰も知らない
『ペルシャ猫を誰も知らない』
       (原題:Kasi Az Gorbehayeh Irani Khabar Nadareh)
        (英題:No One Knows About Persian Cats)

〜体感せよ!
     ペルシャ猫たちの音楽、自由への叫びを!!〜

(2009年 イラン 1時間46分)
監督:バフマン・ゴバディ
出演:ネガル・シャガギ、アシュカン・クーシャンネジャード、ハメッド・ベーダード他

2010年10月16日〜梅田ガーデンシネマ、10月京都シネマ、神戸アートビレッジセンターほかで順次公開
公式サイト⇒ http://persian-neko.com/
 ペルシャ猫とは「西洋文化の規制が激しいイラン、首都テヘランで、当局の目を逃れながら密かに音楽活動を続けている若者たち」のことだそうだ。カンヌ国際映画祭ある視点部門特別賞を受賞した話題作は、バフマン・ゴバティ監督が自らの境遇を重ねながら決死の覚悟で作り上げた必見作だ。
 舞台はイランの首都テヘラン。音楽への規制が非常に厳しく、コンサートをするにも許可が要り、曲をリリースするにも歌詞が検閲される中、アンダーグラウンドで当局の監視網をかいくぐりながらコンサートを成功させ、出国してイギリスでデビューするために奔走する若者たちがいた。
 主人公のネガルやアシュカンをはじめ、登場するミュージシャンは全て実在のミュージシャンだ。彼らがアンダーグラウンドで発信しつづける音楽はポップ、ロックからヒップホップ、伝統的なペルシャミュージックまで幅広く、かつ非常に力強い。見つかれば逮捕という危険を冒してでも、自分たちの音楽を発信したいという強い想いは、どのシーンを見ても伝わってくる。草原で、牛小屋で、ありとあらゆる「見つからない」場所での演奏の数々は本作の見どころだ。
 『亀も空を飛ぶ』のバフマン・ゴバディ監督は、本作のため無許可のゲリラ撮影をした後にイランを離れている。実在のミュージシャンたちのリアルな息吹と、テヘランの今を切り取った映像を効果的に使いながら、ドキュメンタリーとフィクションの垣根を超えた新しい「音楽と自由を求める若者たち」の映画を作り上げた。「神は二の次、一番は金」とペルシア語ラップで揶揄される今まで知ることのなかったテヘランや「ペルシャ猫」たちの姿を目の当たりにして、驚きと衝撃で胸がいっぱいになった。抑圧にも負けず闘う姿はゴバティ監督(冒頭に登場!)の姿そのものなのだ。訴える力の強い作品、観た者の記憶に残ること間違いない。
(江口 由美)ページトップへ
   
             
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