topへ
記者会見(過去)
旧作映画紹介
シネルフレバックナンバー プレゼント
新作映画
★日輪の遺産

(C) 2011『日輪の遺産』製作委員会
『日輪の遺産』
〜終戦前夜、少女たちに何が起こったか?〜

(2011年 日本 2時間14分)
監督:佐々部清
出演:堺雅人、中村獅童、福士誠治、ユースケ・サンタマリア、八千草薫

2011年8月27日より全国ロードショー
・モニター隊感想⇒こちら
・完成披露会見(東京)⇒こちら
・公式サイト⇒
http://www.nichirin-movie.jp/
 終戦前後に様々なドラマがあったことは戦後生まれでも容易に想像出来る。“秘話”だからあまり表沙汰にはならないが、岡本喜八監督の「日本のいちばん長い日」は数少ない終戦までの大混乱のドラマだった。同じころ、実に悲劇的なドラマがあった…。こちらは浅田次郎原作のフィクションだが、いかにもありそうな“裏話”ではあった。

 終戦5日前の8月10日、陸軍参謀本部の真柴少佐(堺雅人)は阿南大臣ら陸軍首脳に呼ばれ重大な密命を受ける。山下将軍が東南アジアから奪取した900億円(現在なら200兆円)に上る財宝を「祖国復興のため隠匿せよ」。真柴は経理畑の小泉中尉(福士誠治)、実戦兵士・望月曹長(中村獅童)とともに極秘任務に当たる。 勤労動員に駆り出されたのは自由思想で軍からにらまれた教師の野口(ユースケ・サンタマリア)に率いられた20人の女子学生。“本土決戦”を叫ぶ強硬派には目を付けられたものの、知られることなく、完璧に秘密保持された任務の終わりが見えたころ、真柴に上層部から非情な命令が届く。「終了後、少女たちを全員毒殺せよ」。いっ時の平穏にはしゃいでいた彼女たちに下された非情指令。真柴と小泉はどう対処するのか、望月は?
 お国のため、軍のためならどんな非人間的なことも可能…そんな異常な時代。帝国陸軍の命令は絶対なのだが、3人それぞれの対処の仕方こそがこの映画の最大の見所。浅田次郎も佐々部清も訴えたかったのはそこだと思う。

 小泉は命令に忠実であろうとするが、真柴は「誰が出した命令か」疑問に感じて、阿南陸相にまで聞きに行く。自宅を訪ねた時、陸相は既に割腹自殺を遂げていた(実話)。が、虫の息の陸相から否定の言葉を聞き取る。参謀本部のエリートとはいえ、現役軍人がこんな行動にでることは考えにくいが、そこがストーリーテラー浅田次郎なのだろう。

 20人の少女を襲う悲劇は果たして…。終戦のどさくさにあっても「命令は絶対」なのか、重い命題をはらんで映画はスリリングにクライマックスへと向かう。少女たちはビラで「ポツダム宣言受諾(=敗戦)」を知っており、秘密任務後の運命も薄々察知していた。そんな生徒たちに殉じる教師、終戦後、日本復興に命をかけて進駐軍と渡り合った小泉、そして進駐軍のジープの前にこれも命をかけて飛び出した級長、重すぎる秘密を抱えた少女とともに戦後を生き抜いた望月もまた「命令を拒否した」軍人だった。わずかの間でもともに同じ任務を遂行した少女たちは殺せない…。

 「夕凪の街、桜の国」で原爆への痛恨の思いを映画にした佐々部監督が、今度は終戦秘話の中に日本帝国軍隊、その苛烈なまでの非道を告発した、彼の気迫が全編に漲った、近来の傑作だと思う。特徴ある笑顔を封印して(せざるを得ない)、時に軍人らしく苦渋をかみしめた堺は芸の幅を広げ、最後には椿三十郎並の早業も見せる。現場の軍人として真柴たちを陸軍抗戦派から守りぬく望月の獅童もまた人間としての深みを感じさせた。今の時代にこそ必要な国民的映画になりうる題材に違いない。

(安永 五郎)ページトップへ
★『日輪の遺産』完成披露試写 シネルフレ・モニター隊 感想(2011/5/19)
@終戦直前を舞台に、マッカーサーの隠し財宝をめぐる物語ということで、宝探しの物語なのかしら…と思っていたら逆に「隠す」お話でした。その作戦に「お国のため」と駆り出された少女たちと3人の軍人たちとのやりとりは、時に鋭い指摘に軍人さんがたじたじになる場面などもあり心なごむものがありましたが、あのような結末を迎えるとは・・・。   
純真でまっすぐ過ぎる少女たちに、心が痛くなりました。3人の軍人のなかでも、中村獅童さんが演じた曹長はいつも他の2人の陰に隠れているようでありながら、存在感があってとてもよかったと思いました。堺雅人さんは好きな俳優さんなのですが、この役はちょっと合ってなかったかも…???(あとちょっと気になったのは、すべてがきれいすぎて、戦時中の大変な時代のように見えなかったので、物語に入り込みにくく感じました。)
 誰にも知られず少女たちが命をかけて守ったのは、財宝なんかじゃなくて日本人が大切にしたい精神(こころ)だったのでしょうか。だからこそ、今の日本がある。それを忘れてはいけないよ、と言われているように見終わって感じました。

A日輪思いのほか良かったです。
戦闘の残酷で悲惨なシーンばかりなら嫌だな…と思っていましたが、そんな場面が全くないのに、逆にとても戦争の理不尽さや、やるせなさ、悲しみが伝わってきました。
まばゆい少女達の最後の敬礼姿がジーンと心に残りました。浅田次郎原作ならではの心温まる作品でした。
主役の3人も良かった!堺雅人の優しい眼差し、福士君のまっすぐな正義感、そして意外や意外…今回の中村獅童の寡黙でおさえた演技が大変素晴らしく良かったです。(軍服姿似合いすぎますね!)
マッカーサー役のジョン・サベージ、私も『エリックの青春』やら『ディアハンター』世代なんで、彼のあまりの変貌ぶりにビックリしました(笑)

B試写会、行かせて貰って嬉しかったです。爆睡することなく(笑)観られて良かったですぅ。ありがとうございました。
中村獅童の存在感が、またお得感のある役で珍しくウザ過ぎず、やはり上手いな〜と再認識しました。福士くんも、最初誰だか分かりませんでした。彼も役によって変わるからいつも注目して観てるんです。特に後半頑張ってましたね。
宣伝とかでの写真には軍服姿が映ってますが、女性は戦争物に苦手意識があるようですので、宣伝の仕方は工夫した方がいいと思います。
あの時代の、個人よりもお国のためという考え方や行動に涙でした!真摯に作られた作品だったかと思います。
また、女学生達の言葉遣いに目が覚めました。敬語をきちっと使っていて、聞いててとても心地良かったです。まぁ今の時代、TPOで使いこなせたらいいのですが…。
ラストの3人の男達のその後は、余計だったような気がします。4人が煙突を見上げて暗転…だったのに、えっまだある?みたいな…観客の気持ちが途切れたように感じがしました。締まりがなくなり、長過ぎた感が残念。

Cいち早く『日輪の遺産』を鑑賞させていただき、また「たねや」のよもぎ餅まで頂戴し、ありがとうございました。
最近、涙腺が弱いのか?お気に入りの役者さんが出てるだけで若干思い入れが強くなる私は、2〜3回、いやいや4〜5回はハンカチを使いました。心の奧の、いつもは届かないところまで触れられたような何とも言えない感じで(きっと意味不明ですよね^_^;)、眼の奥から熱〜い涙が出てきました。
60年以上も封印されていた出来事とは、20人の少女たちの存在、マッカーサーの財宝の行方、極秘任務についた3人のその後は〜単調に始まったと思いきや、涙腺ゆるみ過ぎる作品でした。
『夕凪の街 桜の国』、『地下鉄に乗って』を観たときに感じたのと似た感覚の作品。そう、完全に佐々部監督と浅田次郎さんにやられちゃったんです^_^;
それにしても、福士さんも獅童さんも堺さんも皆さん私のお気に入り俳優さんで〜今日はお腹一杯になりました。 本当にありがとうございました。

D映画のテーマはとてもよく、見応えもあって、まわりでは、結構涙をすする音も聞こえてきたのですが、ちょっと最後の方のテンポが冗長にも思えました。
震災のあった後の日本を、当時の戦後の日本と比べて考えてみたくなり、中々の人間ドラマになっていたと思います。(でもやはり、深みが足りず、どこかもの足りない感じです)
役者としては、中村獅童もよかったですし、堺雅人も意外によかったです。

E「日輪の遺産」ありがとうございました。
マッカーサーから奪取した900億のゆくえは?浅田次郎さんの原作は未読ですが、想像も出来ない物語が日本人ゆえの思いとともに伝わります。
 この映画の主人公は20人の女学生でした!森迫さんは随分、大人になっていました。 坊主頭と軍服が似合う中村獅童さん、は適役ですね。
若い人たちがたくさん見てくれるといいのですが・・・。
   
             
HOME /ご利用に当たって