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★メッセージ そして、愛が残る

(C) 2008 FIDELITE FILMS - AFTERWARDS PRODUCTION INC - AKKORD FILM PRODUKTION - WILD BUNCH - M6 FILMS
『メッセージ そして、愛が残る』 (AFTERWARDS)
〜ネイサンは自分自身の運命に驚がくする〜

(2008年 ドイツ,フランス,カナダ 1時間47分)
監督・脚本:ジル・ブルドス
出演:ロマン・デュリス,ジョン・マルコヴィッチ,エヴァンジェリン・リリー

2010年9月25日よりTOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル梅田、10/9〜シネ・リーブル神戸、今秋〜京都シネマ ほか全国にて順次公開
公式サイト⇒ http://www.cinemacafe.net/official/message-movie/

 ネイサンは,8歳のとき,クレアが溺れそうになったため,助けを呼びに走った。その途中で,道路に飛び出し,車にはねられて意識を失う。ところが,奇跡の生還を果たした。それが全ての始まりだった。その後,ネイサンは,クレアと結婚し,息子ポールと娘トレイシーをもうけた。だが,ポールは幼くして急死してしまった。ネイサンは,自責の念に駆られ,心を閉ざし,クレアやトレイシーと離れ,ニューヨークで一人暮らしをしていた。
 このような過去を持つネイサンを訪ねて来たのが,セントルイス病院の医局長だというケイだ。彼は,人生の師(メッセンジャー)であり,まるで黄泉の国からやって来たようなミステリアスな雰囲気をまとっている。彼の目には,死期の近い人間が白い光に包まれて見えるのだった。彼にとっては,意識して見るのではなく,時期や場所を問わず見えてしまうようだ。ケイは,何の目的でネイサンに近付き,彼に何を伝えようとしているのか。
 ロマン・デュリスは,最初,社会の中で周囲と一線を画して生きているようなネイサンの姿を見せる。そして,大学時代に気に掛けていたアンナの死に関わり,更には自分自身の死を突き付けられることで,温もりを思い出していく。一方,ジョン・マルコヴィッチの表情は,人間の死を予知してしまう自分自身を受け入れたことによる諦念から来たものだろうか。適度の不気味さを漂わせ,理解を超えた人物に確かな実在感を生み出している。
 大切な人との別離が迫っているのかも知れない。そのことに気付いたネイサンは,やはりクレアにニューメキシコまで会いに行く。彼女は,月下美人の花を撮影しようとしていた。夜中にしか咲かない花で,しかも一晩しか花を咲かせないという。人目に触れない一瞬の輝き。死後の世界より今を生きる素晴らしさ。彼女は,ネイサンの心が戻るのを待ち続けていたのだろう。その後,もう一捻りして迎えるラストでは,穏やかな時間が流れる。
(河田 充規)ページトップへ
   
             
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