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★キッズ・オールライト

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『キッズ・オールライト』 (The Kids Are All Right)
〜人間なんだから色々あるよ,というノリで…〜

(2010年 アメリカ 1時間47分)
監督・脚本:リサ・チョロデンコ
出演:アネット・ベニング(ニック),ジュリアン・ムーア(ジュールス),マーク・ラファロ(ポール),ミア・ワシコウスカ(ジョニ),ジョシュ・ハッチャーソン(レイザー)

2011年4月29日(金・祝)〜渋谷シネクイント、TOHOシネマズシャンテ、シネリーブル池袋ほか全国順次ロードショー
関西では、4月29日〜シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、
5月14日(土)〜京都シネマ にて公開
公式サイト⇒ http://filminfocus.com/film/the_kids_are_all_right/

 家族4人の中に部外者が入り込んで一悶着が起こるという典型的なホーム・コメディだ。ただ一つ,新しい家族の形態だという点を除いて。姉ジョニは18歳,弟レイザーは15歳だが,2人を育ててきたのは同性結婚したママ2人だった。同じ男性から精子提供を受けて,ニック(アネット・ベニング)はジョニを,ジュールス(ジュリアン・ムーア)はレイザーを出産した。ジョニは,秋には大学に進学して家族から離れることになっている。
 ジョニとレイザーが精子提供者ポールに会いに行ったことから,波紋が広がっていく。誰もが持っているちょっとした不安や不満が徐々に膨らんでいく。ニックは,一人で家族を養っていると自負しているが,ポールに家族を奪われるかも知れない不安を隠せず,周囲の人たちと衝突する。ジュールスは,ニックに対して自分を認めて欲しいという不満を抱えている。独身のポールは,人生を分かち合える相手と一緒に過ごすことを望んでいる。
 ジュールスは,景観デザインを始めたばかりで,ポールの自宅の庭を手掛けることになる。自分を受け入れてくれるポールに惹かれるが,同時にそんな自分の感情にとまどいを覚える。その後,家族4人がポールの家を訪ねるシーンが見所だ。ニックとポールの会話が弾み,ジュールスが顔をしかめる。ニックがジュールスの浮気に気付く。無表情の下に怒りがこみ上げ,人々の声が遠ざかる。そのとき,家族の崩壊する音が大きく響いてくる。
 もうすぐジョニが家を出ることが分かっているだけに,切なさが増幅される。そのとき,ジュールスに大きな見せ場が用意されていた。彼女は語る。結婚は終わりのないマラソンで,長く一緒にいると時として相手を見失い,愚かで誤った判断を下す。なぜ一番愛する人を傷付けるのか。…含蓄のある台詞に聞き入ってしまう。多くの人々の心を代弁しているようだ。互いのつながりを大切に感じながら,それぞれの思いを乗せて,時間は流れていく。
(河田 充規)ページトップへ
   
             
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