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★神様のカルテ

(C)2011 「神様のカルテ」製作委員会
(C)2009 夏川草介/小学館
『神様のカルテ』
〜患者を“救う”ために僕ができること〜

(2011年 日本 2時間8分)
監督:深川栄洋
原作:夏川草介『神様のカルテ』(小学館)
出演:桜井翔、宮崎あおい、加賀まりこ、柄本明、池脇千鶴、
    要潤、吉瀬美智子、岡田義徳他

2011年8月27日〜全国東宝系ロードショー
公式サイト⇒  http://www.kamisamanokarute-movie.jp/
 信州・松本を舞台に、地域医療に従事する青年医師の葛藤と成長を描いた夏川草介の小説『神様のカルテ』。嵐の桜井翔と宮崎あおいを主役に迎えて、『60歳のラブレター』、『洋菓子店コアンドール』の深川栄洋監督が、普通の医療ドラマとは一線を画した静かな感動を呼ぶヒューマンドラマに仕立てあげた。
 長野県松本市の緊急医療に対応した病院で働く内科医の栗原一止(櫻井翔)。医師不足の中、仲間に支えられながら激務をこなしていた一止には、写真家の妻、榛名(宮崎あおい)が心の支えだった。母校の医局から教授の推薦で大学病院への勤務を誘われ、最新医療を学べることに魅力を感じた一止だったが、末期ガン患者・安雲(加賀まりこ)との出会いで医師としての在り方を見つめ直すきっかけとなっていく。
 夏目漱石の作品をこよなく愛する一止のキャラクターは、どこか小説からそのまま飛び出してきたかのような朴訥とした味わいがある。終始、丁寧語でやさしく語りかける妻の榛名との間に流れる時間や、彼らが生活する御嶽荘で一緒に暮らす個性的な面々との語らいは、どこか昭和の良き時代を思い出すことだろう。医療現場の目まぐるしい時間を過ごしている一止が、自分を見失うことなくじっくりと自問自答できるのも、この環境があってこそ。家族の支えがあってこそなのだ。
 救急医療で命を救うことを使命としてきた一止にとって、末期ガン患者安雲との出会いは、医者として患者を救う意味を大きく変えていく。身寄りのない安雲が一止の病院で過ごした最期の日々は、安雲を孤独や死の恐怖から救い、天国にいる最愛の夫のもとへ旅立つ橋渡しとなった。医療とは患者に寄り添うもの、そして命が救えなくても魂は救える。医療の現場を舞台にした物語だが、そのメッセージは、今誰かを救いたいと思う人たちみんなに大きくこだまするだろう。
(江口 由美)ページトップへ
   
             
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