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『マーガレット・サッチャー 
鉄の女の涙』
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新作映画
マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

(C) 2011 Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(The Iron Lady)
〜知られざる“鉄の女”の愛情物語〜

(2011年 イギリス 1時間45分)
監督:フィリダ・ロイド
出演:メリル・ストリープ、ジム・ブロードベント

2012年3月16日(金)〜TOHOシネマズ(日劇、梅田、なんば、二条)、OSシネマズミント神戸他全国ロードショー
公式サイト⇒http://ironlady.gaga.ne.jp/




 サッチャー女史は、階級制度の残る英国において、1979年西洋史上初の女性首相となる。11年間の在位中、経済復興、フォークランド紛争の勝利、断固たるテロ対策などで国力を高めた一方、その強硬な政策手法はマイナス面も生み、各メディアから攻撃されることも多かった。そんな女性政治家のパイオニアが、現在は認知症に苦しんでいるという。娘の回顧録を基にした本作は、老いを迎えたかつてのカリスマ的リーダーが過去の自分と家族について思いを巡らす様子を、M・ストリープという大女優をもってテンポよく情感豊かに活写している。

 5年前に亡くなった夫の幻影が生前と同じようにユーモアを交えて彼女に話かけてくる。幻想か現実かわからなくなる不安、自分が変調していく恐怖、遠くにいる息子に会えない寂しさ、人生の果てに彼女が辿り着いた心情は過去の栄光とは対照的に思える。「台所でさみしくティーカップを洗う女ではないわ」と夫に断言していた彼女だったが、皮肉にもティーカップを洗うシーンで映画は終わる。彼女を支え続けた夫や家族の愛の深さをかみしめるように。

(河田 真喜子) ページトップへ

(C) 2011 Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute
   
             
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