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★インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実 |
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『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』
〜正義は何処に? みんな悪人の泥沼経済映画〜
(2010年 アメリカ 1時間48分)
監督:チャールズ・ファーガソン 20011年5月21日〜新宿ピカデリー他全国順次公開
公式サイト⇒
http://www.insidejob.jp |
2008年のリーマン・ブラザーズ経営破綻から始まった世界不況の“真実”に迫ったドキュメンタリー。これを見れば、アメリカが“愛と正義”の国などではない、ことが分かる。うんざりするような金融告発映画。
なぜリーマンショックが起こったか…銀行はじめ政府も議員もみんなグルになって一般大衆から非情な手段で吸い上げた結果による自己破綻というしかない。バブル期のお偉方が、破綻することを知っていながら、不良債権=ローンをもとに家屋を売り出し、銀行の口車に乗せられて多額のローン(サブプライム・ローン)を抱えた挙げ句、払えなくなり、家を手放す人が全米でなんと900万人もいるという事実。
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一方、リーマン・ブラザーズ、メリル・リンチ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなどの証券、銀行は巨額の負債を抱え、リーマンなどは倒産するが、大手の幹部は多額の報酬を受け取り、持ち株を下落直前に売り抜けて儲けている。巨大企業の倒産は国を揺るがす、と国が救済に乗り出し、結局、国民(税金)がツケを支払う仕組みとは、呆れるばかり。 |
銀行などを管理しなければならない政府、財務省高官らも破綻が分かっていながら規制することもなく、犯罪的なまでに高額報酬の返還も求めない。政治家、大学教授、経済学者、ジャーナリストも金融業界と一体となった“組織”の実態。その奥深い“真実”は恐るべきもので、悪が栄えるこんな物語は劇映画なら成立しないほどひどい。同種の経済腐敗告発ドキュメンタリー「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」(05年)はラストに司法のメスが入って、完全懲悪の結果になったが、こちらはみんな悪者。とりわけ社会派C・ファーガソン監督のインタビューを拒否した連中は拒否したことが「有罪」の証拠に違いない。
アメリカほど巨額ではないだろうが、日本も恐らく同じ。アメリカではクリントン、ブッシュ時代の罪業が“正義派”オバマ大統領になっても何ら変わりがないことに暗澹たる気持ちにとらわれる。映画の中のインタビューで「それは親ウォール街政権だから」と。ハリウッド映画がどんなに立派なヒーローを描いても、しょせん絵空事。経済破綻の“戦犯”たちが、オバマ政権で再び経済の要職に就いている事実は、そこいらのホラーよりずっと怖い。
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