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★完全なる報復

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『完全なる報復』 (LAW ABIDING CITIZEN )
〜果たして可能か?の、リベンジ映画の進化型〜

(2009年製作 アメリカ 1時間48分 R15+指定)
監督:F・ゲイリー・グレイ
出演:ジェラルド・バトラー、ジェイミー・フォックス、コルム・ミーニイ、ブルース・マッギル、レスリー・ビブ

2011年1月22日(土)〜TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、TOHOシネマズ みゆき座 ほか
TOHOシネマズ梅田、敷島シネポップ、TOHOシネマズ二条、TOHOシネマズ西宮OSほかにて全国ロードショー
公式サイト⇒ http://www.houfuku.com

 冒頭からいきなり自宅に2人組に押し入られて、妻子が殺される。夫である主人公ジェラルド・バトラーは完全に隙を突かれて、がんじがらめの状態となってしまう。犯人2人は、司法当局の弁護士・検事・判事らによる「司法取引」で、1人は死刑も、もう1人は3年で刑務所から出られる判決となった。そこで、どうしても納得できない夫は、一体どうしたのか、というのが本作の一大ポイントとなるところだ。
 いわゆる、リベンジ・ドラマである。かつて、妻子が殺された夫が、犯人たちに対し1人敢然と復讐せんと、それを実行するタイプの映画はあった。だが、本作のスケールは違っていた。何しろタイトルからして「完全なる報復」だ。実は、犯人たちに対してだけではない。つまり、そんな審判を下した司法当局者の全員に対しても、リベンジするというのである。そんなあり得ない設定が、ここに展開されるのだ。
 刑務所から出てきた犯人を、殺すことはできる。しかし、死刑となった共犯者まで殺せるだろうか。しかし、ここから事件は始まるのだといっていい。結論から言うと、バトラーは2人を殺した罪で警察当局に捕捉されて、監獄に入れられてしまう。そして、その担当者である、担当検事役のジェイミー・フォックスとの丁々発止のやり取りが行われる。「司法取引」とはとても思われない「個人的駆け引き」が2人の間で行われるのだが…。
 ミステリーとしてのサプライズは、かなり大きいと思う。けれども、そのトリックには、荒唐無稽論が出たり、あり得ない!の言葉が噴出するかもしれない。司法当局者たちが次々に殺される。でも、犯人・容疑者は刑務所の中にいる。犯人が彼らを殺すことはできない。フィラデルフィア市長からの抗議に、ジェイミーは「共犯者がいるはずだ」と答える。車の爆発シーンなど、爆破シーンが後半に頻出する。リモコンなどの遠隔操作が1つのポイントになるのだが、このトリックには確かに10年近い準備期間がいるであろう。ネタバレになるので、このトリック部にまつわる関連作品は出せないけれど、ヒントをいうと『踊る大捜査線』の小泉今日子みたいな感じか。いずれにしても、いろんな意外性に酔いたい作品だ。
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