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★ハンナ
『ハンナ』 (HANNA)
〜ナチュラルでスタイリッシュなアクションヒロイン誕生!〜

(2011年 アメリカ 1時間51分)
監督:ジョー・ライト
出演:シアーシャ・ローナン、ケイト・ブランシェット、エリック・バナ、トム・ホランダー他

2011年8月27日〜新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹他全国ロードショー
公式サイト⇒ http://hanna-movie.jp/
 『つぐない』、『ラブリーボーン』でその実力を発揮し、透明感とナチュラルさで観る者を魅了するシアーシャ・ローナン。本作で彼女が演じるのは出生の謎に包まれ、特別な訓練を受けてきた諜報員だ。少女ならではのあどけなさを残しながら、ハードなアクションや死闘を繰り広げるシアーシャ・ローナンの新しい魅力に注目したい。
 ハンナ(シアーシャ・ローナン)はフィンランドの山奥で、元CIA捜査官の父エリック(エリック・バナ)と二人で暮らしながら、高度な戦闘技術や多国語を操る能力を教えこまれる。驚愕の身体能力を身に着け、16歳になったのを機に外の世界に旅立つ決意を固めたハンナ。エリックは元同僚のマリッサ(ケイト・ブランシェット)が殺しにくることを警告するが、ハンナはマリッサを殺すべく自らCIAに捕らわれ彼女との面会を求めるのだった。
 真っ白の銀世界でハンナが繰り広げる大鹿ハンティングや、スパルタな父との格闘シーンは緊迫感に溢れ、冒頭から惹きつけられる。敵を倒すことは知っていても、普通の思春期の少女とは違う運命が待ち受けていることは明白だ。ハンナが命を狙われる理由や出生の秘密、それに伴う闘いや犠牲などが描かれる一方で、モロッコからスペイン、そして父と再会の約束をしたドイツへ逃げ続けるサバイバル・ロードムービーとしても見応えがある。モロッコで初めて同世代の少女と出会い、等身大の16歳として過ごすハンナの唯一安らげた時間は、皮肉にも他人と違う特殊な運命を自覚する瞬間でもあった。
 ベルリンの荒廃した遊園地を舞台に繰り広げる宿敵マリッサとの直接対決はまさに壮絶だ。大鹿をしとめた時と同様に最後にさらりと「心臓をはずしちゃった。」と呟くハンナの姿は、数奇な運命を受け入れ、標的を一瞬でしとめるスナイパーとして今後も生きていくことを暗示したように映る。回し蹴りから弓矢、拳銃まで、ありとあらゆる戦闘アクションをスタイリッシュにこなし、カモシカのように颯爽と走り続けるシアーシャ・ローナンの姿は、ナチュラルスタイルの新ヒロイン誕生にふさわしい。
(江口 由美)ページトップへ
   
             
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