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  『ゲーテの恋 〜君に捧ぐ
  「若きウェルテルの悩み」〜』
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★ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜
『ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜』
〜名作「若きウェルテルの悩み」誕生に隠された
                         青春の痛み〜

(2010年 ドイツ 1時間45分)
監督:フィリップ・シュテルツェル
出演:アレクサンダー・フェーリング、ミリアム・シュタイン、
    モーリッツ・ブライブトロイ他

2011年10月29日〜TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条、神戸国際松竹他全国順次公開
公式サイト⇒  http://goethe.gaga.ne.jp/
 1774年、ドイツの文豪ゲーテによって誕生した『若きウェルテルの悩み』は、当時の若者に多大な影響を与え、大ブームを巻き起こした。『アイガー北壁』のフィリップ・シュテルツェル監督は、『若きウェルテルの悩み』に秘められたゲーテ自身の青春と恋に焦点を当て、無名のゲーテの生きざまを瑞々しく描いている。
 戯曲や小説を書くことを夢見ながらも、才能を認められず、父親の命令で田舎の裁判所で見習いをすることとなった奔放なゲーテ(アレクサンダー・フェーリング)は、町の教会で美しい歌声を響かせるロッテ(ミリアム・シュタイン)と恋に落ちる。しかし、ロッテの実家は子だくさんで生活が苦しく、ゲーテの上司ケストナー(モーリッツ・ブライブトロイ)との婚約を余儀なくされることになる。
 文芸ものにありがちな重厚感というよりは、ゲーテやロッテのはつらつとした身のこなしやセリフまわしに爽快感を覚える。『イングロリアス・バスターズ』のアレクサンダー・フェーリング演じるゲーテや、ドイツの新星ミリアム・シュタインの若手コンビの魅力が、普遍的な恋愛物語に新鮮さとコミカルさを与えており、等身大の若者の喜びや苦悩がストレートに伝わってくるのが心地いい。
 ゲーテとロッテが恋人同士であったと知らず、ゲーテにプロポーズの言葉を相談し、婚約の喜びを分かち合ったケストナー。ケストナーを演じるモーリッツ・ブライブトロイの静かな苦悩ぶりが、ぬきさしならぬ三角関係をリアルに表現している。ゲーテを愛していながらも、ケストナーとの結婚を選ばざるをえないロッテ。家庭事情を見れば非常に現実的な判断だが、ゲーテは自分を死の淵に追い込んでしまう。不倫の末自殺した友人の姿がよぎる中、それでも生き続けることができたのは、ゲーテには「書く」ことがあったから。絶望の中、それでも無我夢中で筆を走らせる情熱こそ、創作の源であり、愛の証として永遠に残るのだ。
 文豪と呼ばれたゲーテの若き頃の恋物語は、彼とて普通の人間であり、叶えられない恋を乗り越えた同志のように観る者には映ることだろう。文豪を身近に感じることができる意欲作。時を超えてゲーテの青春の痛みに共感できるのも悪くない。
(江口 由美)ページトップへ
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