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 『ふたりのヌーヴェルヴァーグ
 ゴダールとトリュフォー』
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★ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー

(C) Films a Trois 2009
『ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー』
(DEUX DE LA VAGUE/TWO IN THE WAVE)
〜貴重な映像で綴られる2人の友情と決別〜

(2010年 フランス 1間37分)
監督:エマニュエル・ローラン
出演:フランソワ・トリュフォー,ジャン=リュック・ゴダール,ジャン=ピエール・レオー,イジルド・ル・ベスコ
2011年8月27日(土)〜第七藝術劇場、順次〜京都みなみ会館、神戸アートビレッジセンター にて公開

*公開記念トークショー⇒第七藝術劇場にて
公式サイト⇒ http://www.cetera.co.jp/nv/

 トリュフォーの「大人は判ってくれない」の海辺のラストシーンは,ヌーヴェルヴァーグの象徴だといえる。レオー扮するアントワーヌ・ドワネルのあの眼差しを捉えたストップモーションは,その後の映画の手本となった。この作品が1959年のカンヌ映画祭で上映されたことで,ヌーヴェルヴァーグが公に認められたという。本作は,トリュフォーとゴダールの2人に焦点を当て,ヌーヴェルヴァーグをアーカイブ映像でコラージュしていく。
 トリュフォーが1984年に52歳で亡くなったとき,彼だけが既存の映画界に受け入れられ,ゴダールの守護神となり得たと言われる。ゴダールの「勝手にしやがれ」は,トリュフォーが製作のボールガールにゴダールを支持する手紙を書いたことから生まれた。時代より進んでいる,観客をバカにしているなどと賛否が分かれた様子が映されるが,ベルモンドが路上で倒れるラストシーンは今なお鮮烈で,これもヌーヴェルヴァーグの象徴だといえる。
  2人の共作「水の話」は,撮影の早いトリュフォーと編集のうまいゴダールが互いに補い合う奇妙な作品となったと紹介される。だが,2人の映画に対するスタンスは違っていた。トリュフォーは,出世より自分の好きな道を選び,「アメリカの夜」では政治より映画への愛に生きることを明らかにした。一方,ゴダールは,急進的な思想の持ち主で,芸術家として成功を望み,映画の形式や内容を根底から覆そうとして商業映画から離れていく。

  トリュフォーは,ヒッチコック作品など手本となる作品を選び,物の見方や演出法を学び取ろうとしたと語る。ベルイマンの「不良少女モニカ」を見て女性の撮り方を学んだと言うと,そのシーンが映される。ゴダールが「恋人のいる時間」でドゥミの「ローラ」を語ると,その台詞に対応するシーンが映される。活字ではなく映像で語ることの利点が活かされている。特にラストのおまけ映像のようなレオーのカメラテストの情景は感動的だ。
(河田 充規)ページトップへ
   
             
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