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フラメンコ・フラメンコ
『フラメンコ・フラメンコ』 (FLAMENCO, FLAMENCO)
〜フラメンコ三昧の豊穣な世界にすっぽり〜

(2010年 スペイン 1時間41分)
監督・脚本:カルロス・サウラ
出演:サラ・バラス,パコ・デ・ルシア,マノロ・サンルーカル,ホセ・メルセー,ミゲル・ポベダ,エストレージャ・モレンテ,イスラエル・ガルバン,エバ・ジェルバブエナ,ファルキート,ニーニャ・パストーリ

2012年2月11日よりBunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開
3月17日(土)〜梅田ガーデンシネマ、シネ・リーブル神戸、4月〜京都シネマ

公式サイト⇒http://www.flamenco-flamenco.com/
 チラシの裏面には「名匠カルロス・サウラ監督と光の魔術師ヴィットリオ・ストラーロが,一流アーティストたちを迎えフラメンコの真髄に迫る」と謳われている。全くその通りだ。フラメンコを描かせると右に出る者はない映画監督の手によって,生の舞台では絶対に実現できないアーティストの奇跡の饗宴が演出される。舞台照明の経験があり卓越した色彩感覚を持つ撮影監督の手によって,目眩くような幻想的な舞台空間が生み出される。
 フラメンコと言えばダンスの固定したイメージがあるが,バラの花はくわえないし,踊りだけではない。まず歌(カンテ)があり,これにギター演奏(トケ)や踊り(バイレ)が加わった。インドから流浪してきたヒターノ(ロマ)の音楽や舞踊がスペイン南部のアンダルシア地方の音楽と融合して生まれたと言われる。本作は,全21幕で構成され,虹のように多彩なグラデーションを基調として,現在のフラメンコの多様な形式を映していく。
 フラメンコを描いた何枚もの絵画の間をカメラが前進すると,フレームの中に魅惑的な世界が立ち現れて,目と耳を奪われる。最初に歌われた〈緑よ,私が愛する緑〉が再びエンドロールで流れるまで,詩の朗読のような歌があり,魂の叫びのような歌がある。ギターでは,マノロ・サンルーカルに聞き惚れ,変幻自在に形を変えていくパコ・デ・ルシアの音色に酔わされる。ピアノ2台だけのユニークな演奏やヴァイオリンが加わる曲もある。
 雄大なスケール感のある〈聖週間〉と音楽が立体的に舞う〈時〉は,いずれも女性6人の踊りで,スペイン国立バレエ団の元ダンサー,ハビエル・ラトーレの振付だ。赤い衣装を羽のように広げるサラ・バラス。パンツルックで煙草をくわえたロシオ・モリーナ。イスラエル・ガルバンは,伴奏なしで身体を使って音を刻む。エバ・ジェルバブエナは,二度登場し,素晴らしいサパテアード(靴音)と雨の中で嘆き悲しむ姿で魅せる。宴は続く。

(河田 充規) ページトップへ

   
             
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