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★カラフル

(C)2010 森絵都/「カラフル」製作委員会
『カラフル』
〜「いろんな色があっていい。」
            真になったボクのホームステイ〜

(2010年 日本 2時間6分)
監督:原恵一
原作:森絵都『カラフル』
声:冨澤風斗、宮崎あおい、南あきな、麻生久美子、高橋克実他

2010年8月21日〜全国東宝系ロードショー
公式サイト⇒  http://colorful-movie.jp/

 「おめでとうございます!あなたは抽選に当選しました。」魂だけになったボクに起こった突然の出来事からはじまる直木賞作家・森絵都のベストセラー小説『カラフル』が、クレヨンしんちゃんシリーズや『河童のクゥと夏休み』の原恵一監督によってリアル感のある映像や描写が印象的なアニメーションに昇華した。

 天使プラプラから再挑戦という名の「ホームステイ」を言い渡されたボク。自殺して死の寸前にある中3の小林真の体に入りこみ、小林真として彼の家族に「ホームステイ」しながら、自分が現世で起こした罪を思いださなければ、ボクの魂は二度と下界には戻れないらしい。一見とてもいい家庭に見えた小林真の家族はそれぞれが訳ありで、おまけに真にはどうやら友達すらいないことが分かり・・・

 自殺から奇跡の生還を果たした真を迎える家族たちを冷静に見つめたり、学校で全く友達がいないことに唖然としながらも、仮の姿のはずの小林真に身も心も同化し、自殺するほど追い詰められていた真が対面した事実を確認していくボク。その中でもボクの支えとなっていったのは、唯一気軽に声をかけてくれた早乙女君の存在だ。映画では原作にない玉電跡巡りをするエピソードも交え、孤独だった真が他人に対して心を開くきっかけとなった友達という存在をしっかりと描いている。

 思春期ならではの親との葛藤、好きな女の子への想い、学校での自分の立ち位置、そして生きるということ。期間限定で真の体に入り込んで、苦しみながらも前向きに生きる道を歩み始めたボクの姿や、真と共に変化していく周りの人たちの細かい描写が、ファンタジーなのにとてもリアルな物語として観る者の心を捉える。人は支えあいながら生きている。カラフルな自分を、カラフルなこの世界で自由に生きていい、そんな力強いメッセージが伝わってきた。
(江口 由美)ページトップへ
   
             
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