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ビースト・ストーカー/証人

(C) 2008 Emperor Classic Films Company Limited All Rights Reserved.
『ビースト・ストーカー/証人』
〜刑事VS犯人の追逃走活劇が展開する香港ノワール〜

(2008年製作 香港 1時間49分)
監督:ダンテ・ラム
出演:ニコラス・ツェー、ニック・チョン、チャン・ジンチュー、
    リウ・カイチー、シャーマン・チョン

2012 年4月7日(土)〜シネマスクエアとうきゅう 他順次公開
4 月21日(土)〜シネマート心斎橋にて公開
公式サイト⇒ http://www.beaststalker.net

 仁義なき追逃走劇にして、1対1バトルが繰り広げられた韓国映画の『チェイサー』(2008年)は、みなさんは見たことがあるでしょうか。韓国よりずーっと古(いにしえ)よりアクション映画を作ってきた香港映画界にしてみれば、その評判ぶりに当然、対抗意識を燃やして傑作を作るしか術はない。ということで、本作の登場と相成るのだ。
 さて、本作の追逃劇を演じる2人はといえば…。犯人を追ってる最中に、女検事の幼い娘を誤って銃殺してしまった刑事。傷心して刑事を辞め、女検事のもう1人の娘を見守る毎日。しかし、その娘が何者かに誘拐されてしまった。この刑事役にニコラス・ツェーが扮した。「香港国際警察」(2004年)では刑事役としてジャッキー・チェンと共演したが、今回はワイルド感を増してクールではなく、激情型の演技で突っ走るのだ。
 そして今1人の、娘を誘拐した灰色目の男。モノクロでしか見えない設定で、彼の視点になると突然のようにモノクロになる。彼には喋れない要介護の妻がいて、床に伏せっている。そんな妻のために薬代やらを稼ぐために、彼は犯罪依頼を受けているのだった。この男に、「絆/EXILE」(2006年)でも壮絶な活劇ぶりを見せた、ニック・チョンが扮している。絶妙のキャスティングだと思う。
 ということで、この男たち2人の対決が展開する形なのだが、見どころポイントは約3ポイントほどある。@ミステリー・ポイントAアクション・ポイントB絆ポイントだろうか。@について。ケータイ電話を使った、21世紀的トリックのオンパレードに感心した。日本では余り馴染みは薄いが、SIMカード。そこからケータイ所持者が何を送ったかが分かるらしい。送られた画像から犯人の居場所を特定していく、ミステリー部などが斬新な作りだ。
 Aはどうか。手持ちカメラによる近接撮影アクションなどは、よくあるパターンだが、クライマックスでの対決シーンは1対1ではなく、子連れ2対1アクトなのだ。これは今までにないでしょ。どうかな?Bはもちろん、母娘の絆もあるけど、犯人夫妻の絆に含め、刑事と娘の絆も感動できる演出が施されている。そして、冒頭にある交通事故シーンを伏線とした、最後に示されるサプライズ・シークエンスだ。『チェイサー』にどこまで迫れたかは分からないけど、追い着くところあたりまではいったかもしれない。みなさん、それぞれの見た後の想いでジャッジしてみてください。

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