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★ベスト・キッド
『ベスト・キッド』
〜ジャッキー・チェンがコーチ役に回った初作品〜

(2010年 アメリカ 2時間20分)
監督:ハラルド・ズワルト
出演:ジャッキー・チェン、ジェイデン・スミス、タラジ・P・ヘンソン

2010年8月14日(土)〜梅田ピカデリー、梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹ほか全国ロードショー(8月7日と8月8日に先行上映)
公式サイト⇒  http://www.bestkid.jp
 みんな、知ってるかな? 『ベスト・キッド』(1984年作)っていう、4作シリーズ化された、空手アクション映画がかつてあったことを。それらは現在はDVDで見られるけれど、本作はそのリメイク版となる。でも、ジャッキー・チェンを主演に据え、舞台をアメリカから中国に変え、空手をカンフーに変えるなんていう設定の変更があったり、本筋は同じでもプロセスを変えてみたり、コレはほぼオリジナル作品と言っていいかもしれない。
 格闘技を通して闘う者たちを含め、人と人との絆を紡いでいくドラマとしてのスタイルは、本作ではより強固になっている。みんなを楽しませてくれるアクション・シーンも、単なるアクションではない。ジャッキーのかつての作品では、おのがワザを誰かに伝授するような役柄は殆どなかったが、イジメに遭う少年に対し、遂に動いた。
 少年役はジェイデン・スミス。あの父子の絆を描き抜いて感動させてくれた『幸せのちから』(2006年)で、父役ウィル・スミス(本作では製作者の1人)と堂々と、でも自然体で渡り合った少年だ。彼は本作でも、微妙かつ緻密ながら自然体で、アクション映画にも関わらず、感動的な演技で観客を魅了する。コレは一種の才能かもしれない。

  もちろん、極みの演技を見せるのは、ジャッキーだ。ジャッキー的アクションで魅せるシーンはあるにはあるけれど、肝となるのはそのカンフーの教え方の渋みだろう。ジャッキーは少年に、何でもない日常の動作をやり続けることを毎日のように課すが、少年は遂にキレる。だが、ジャッキーは「人生の全てがカンフーなんだ」と言う。カンフーの動きは、つまり日常の動きと同じなんだと。
 そして、その後の2人の特訓シーンは、クライマックスの対決シーンより、見どころかもしれない。本格的中国ロケのアメリカ映画としては久々だろう。最近の中国としては、上海万博、オリンピックのスタジアム「鳥の巣」とかもあるけれど、万里の長城、紫禁城、武当山とかいろいろ。特に、紫禁城での撮影は『ラストエンペラー』(1987年)以来だとか。だから、まるで中国へ旅行しているみたいな臨場感も、ビビッドに味わえるようになっている。
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