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 ゲキ×シネ 『蛮幽鬼』
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★ゲキ×シネ『蛮幽鬼』
ゲキ×シネ『蛮幽鬼』
〜復讐のために剣を振るう男の生き様をダイナミックに描いたアクション時代劇〜

(2010年 日本 3時間2分)
作: 中島かずき
演出: いのうえひでのり
出演: 上川隆也 稲森いずみ 早乙女太一 堺雅人 
     橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと

10月2日(土)梅田ブルク7 なんばパークスシネマ T・ジョイ京都 MOVIX京都 TOHOシネマズ西宮OS
公式サイト⇒ http://www.banyuki.com/stage/
 劇団☆新感線の演劇を映画館で鑑賞する「ゲキ×シネ」が導入されたのは2004年。それ以来、7本の作品がスクリーンで上映され、今回の『蛮幽鬼』が8作品目となる。実は、『蛮幽鬼』が「ゲキ×シネ」初体験だった私。前作の『蜉蝣峠』は大阪の舞台で見たのだが、その体験を踏まえた上で、生と映像だとここまで見え方が違うものかと感心した。映画を見慣れている者にとっては、意外と「ゲキ×シネ」の方がしっくりくるかもしれない。








 俳優がそこに存在するという臨場感や観客の肌にまで伝わる緊張は、もちろんの生の舞台には適わないが、役者の表情や巧みにカット割されたアクションを細部まで集中して見ることができるのは「ゲキ×シネ」最大の利点だろう。当たり前なのだが、アップで見るとこんなにちゃんと演技しているんだ(失礼!)衣装も手が込んでるなぁと発見がたくさんある。特に、大王の妃を演じた稲森いずみが感情の盛り上がる場面で、本当に毎回タイミングよく涙を流しているなんて、劇場の後ろの席に座っていたら絶対気付けない。刀で斬られたあとパックリ割れた傷跡が出現する細かな演出のリアルさにも驚いた。 

  物語は、アレクサンドル・デュマの『モンテ・クリスト伯』をモチーフとした復讐劇。信じていた友人の裏切りにより、無実の罪で孤島に幽閉された伊達土門が、復讐の鬼となって10年後に脱獄。監獄で出会った謎の殺し屋・サジ、ハマン王朝の姫・ペナンと共に、故郷・鳳来国を目指す。しかし、10年前の事件には、土門が予想もしない様々な陰謀が秘められていた−。
 

  復讐は復讐をよび、断ち切れない憎悪の連鎖は、時に正しい判断を鈍らせる。戦えば戦うほど、切ない運命が浮き彫りとなり、その度に土門の哀しみは肥大していく。時おり「誰も疑うことなく生きられたなら…」そんな土門の心の声が聞こえてくるようなシリアスな復讐劇に仕上がった。伊達土門を演じるのは上川隆也。水浴びした?ってくらい汗を流して鬼気迫る熱演を見せる。一方、土門と対象的に微笑を浮かべながらクールに人を斬っていくサジに堺雅人が扮した。この2人と剣の達人・刀衣を演じた早乙女太一の殺陣シーンは一見の価値あり。映画でもテレビ時代劇でも、こんなに美しい殺陣はなかなかお目にかかれない。
(中西 奈津子)ページトップへ
   
             
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