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★赤ずきん

(C) 2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
『赤ずきん』 (RED RIDING HOOD )
〜大人になった赤ずきんの恋愛映画&ミステリー〜

(2011年製作 アメリカ 1時間40分)
監督:キャサリン・ハードウィック
出演:アマンダ・サイフリッド、ゲイリー・オールドマン、ビリー・バーク、シャイロー・フェルナンデス、マックス・アイアンズ、バージニア・マドセン、ジュリー・クリスティ

2011年6月10日(金)〜大阪ステーションシティシネマほかにて全国ロードショー。
公式サイト⇒ http://www.akazukinmovie.jp

 

 

 

 大人になった「赤ずきん」ちゃんのお話である。グリム兄弟の原作童話は子供の時の話であり、その後の続編は作られていないので、本作は「赤ずきん」の本歌どりとも言えながら、オリジナリティーあふれる仕上がりとなっている。しかも、単なる子供向けの童話とは違い、“ホントは怖いグリム童話”のスタイルを、全編にフィーチャーする形となった。中世のホラー映画でもあり、ミステリー映画ともなっているのだ。

  さらに、トワイライト・シリーズの第1弾『トワイライト〜初恋〜』を監督した、女性監督キャサリン・ハードウィックは、本作をそのトワイライト・シリーズの作品性で仕上げるという、ウルトラ・ワザを披露する。あのシリーズはバンバイアだけでなく、オオカミ男も三角関係恋愛物語の一角をなしていたのだが、本作もそのオオカミ男が人狼というキー・ポイントして物語を左右することになる。その真意を裏読みすれば、トワイライト・シリーズといえば、日本ではそれほどではなかったが、全米での歴代興行収入ベストテンに入るほどの大ヒットを記録した。そのノリを注入することで、全米ヒットの方程式を堅持しようとしたようなところがある。

  まあ、それはさておき、本作は赤ずきんの恋愛映画の趣きもあるのだが、人々を脅かす人狼の正体は一体、誰だ? を、赤ずきんが探っていくミステリー・ドラマでもある。大人といってもハイティーンだろうが、そんな赤ずきんちゃん役に扮するのは、アマンダ・サイフリッド(日本読みで、セイフリッドとも表記される)。このところ、『ジュリエットからの手紙』『クロエ』と、主演作の日本公開が続く、ハリウッド映画界若手女優の有望株だ。決して美人女優さんではないけれど、好感度の高い演技で魅せてくれる。

  何しろ、ラブ・ストーリーとしてのウットリ感と、ハラハラドキドキのミステリー的探究演技の2方向性で魅せるのだから堪らない。三角関係の恋愛部分もいいけれど、ミステリー映画としても極上の仕上がりとなっている。伏線もちゃんとあり、観客を間違った方向へと向かわせる“ミスリード”もあり、そして意外な犯人へと続く流れは、まさに本格ミステリーだ。いわば、恋愛映画とミステリー映画の2つが、同時に楽しめる2倍おいしい作品だと言えるかもしれない。
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