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 アフロ田中

(C)2012 のりつけ雅春・小学館/「アフロ田中」製作委員会
『アフロ田中』
〜アフロでシュールでクスリと笑える童貞コメディー参上!〜

(2011年 日本 1時間54分)
監督:松居大悟
原作:のりつけ雅春『上京アフロ田中』(小学館『ビックコミックスピリッツ』掲載)
出演:松田翔太、佐々木希、堤下敦、田中圭、遠藤要、
    駒木根隆介 他

2012年2月18日〜丸の内ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、MOVIX京都他全国ロードショー
公式サイト⇒ http://afrotanaka-movie.jp/
 
 生まれてから一度も彼女ができたことがない主人公アフロ田中の奮闘ぶりを描く、のりつけ雅春原作の『上京アフロ田中』が映画化。漫画からそのまま抜け出してきたような巨大アフロヘアの主人公のインパクトは想像以上に強烈だ。ちょっとシュールでワビサビが効いた、クセになりそうな童貞コメディーへようこそ!
 幼い頃から強烈な天然パーマでいじめられたのをきっかけにアフロヘア―に転身した田中(松田翔太)は、軽いノリで高校を中退、上京するものの仕事は厳しく、彼女もできない現実に直面する。そんなある日高校時代の友人が結婚するという知らせが届き、久しぶりに同級生たちと再会する。だが高校時代に田中はある約束を交わしていた。彼女を作らなければと焦る田中の前に、隣に引っ越してきたという亜矢(佐々木希)が現れ、田中の中で期待と不安と妄想が渦巻いていく。
 最初は、イケメンすぎるキャスティングではと思っていた強烈な天然パーマのアフロ田中演じる松田翔太が、だんだん本当に「これじゃ彼女ができないな」的に見えてくる。一歩間違えばシラケてしまう「次に何を言うんだ」と突っ込みたくなるような間も、きっちりとオチをつけ、クスリと笑わされるのだ。また、原作にはなかったというマドンナ的存在を演じる佐々木希が、完璧な童貞恋愛コメディーのヒロインを熱演。まともなようで、どこか頑固女子のキャラクターが、ただのかわいいだけじゃない魅力を感じさせる。

 そして一番の見どころは、ただもてない男の奮闘記だけではなく、根底に流れている「高校の時に一緒にバカをやってきた男の友情」だろう。『SRサイタマノラッパー』で巨漢ラッパーIKKUを演じた駒木根隆介をはじめ、『イエローキッド』主演の遠藤要、インパルスの堤下敦、そして映画にTVに大活躍の田中圭という個性的な面々が、極秘で彼女を作るのに必死な田中を盛り上げるつもりが邪魔してしまったり、男の理想と現実やちっちゃな見栄が見え隠れする会話を展開する。それらを笑えるエピソードに仕立て上げながらも、最後には「そんなに高校時代の仲間っていいのか。」と思わせる暖かさがあった。ギャグ漫画独特の世界観を見事に映画で表現した『アフロ田中』で、松田翔太の新しい一面を堪能してほしい。

(江口 由美) ページトップへ
(C)2012 のりつけ雅春・小学館/「アフロ田中」製作委員会
   
             
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