去る8/29(金)、大ヒットを記念して丸の内ピカデリーにて行われた「OH MY LITTLE GIRL」DAY。尾崎豊さんデビュー後初めてのライブ(1984年3月15日/新宿ルイードにて)の写真のパネルを29日限定で特別にロビーにて掲示(今回の展示は数年ぶり)、映画の世界観とシンクロした、当時の熱そのままのパネルの数々は多くの人の心を揺さぶった。
また全上映回で本編終了後に主題歌「OH MY LITTLE GIRL」のカラオケVer.(三木孝浩監督が本編映像を特別に編集、実際に長編予告篇として上映されたもの)を上映、映画本編の感動冷めやらぬ中、来場者の多くが熱唱していた。
上映作品の「ネスレシアター on YouTube」で公開された作品の中で、長編2作『ゾウを撫でる』の佐々部清監督および出演者の大塚千弘さん、そして『昼も夜も』の塩田明彦監督および主演の瀬戸康史さん、吉永淳さんに、作品の魅力や、映画館より先にWEBで無料配信する「ネスレシアター on YouTube」と映画館上映との相乗効果、オリジナル作品に込めた狙いについてお話を伺った。
―――今回「ネスレシアターOn You Tube」で作られた映画は短編が多かったですが、佐々部監督、塩田監督は長編を手掛けておられます。先にWEBで配信し、後から劇場公開という形式を念頭に置いた映画製作で工夫した点は?
佐々部:高岡氏(ネスレ日本株式会社代表取締役兼CEO)を交えての打ち合わせ会合で、一番最初の約束事として映画を作るスパンで「ネスレシアターOn You Tube」作品に取り組むことをお話していたので、長編しか考えていませんでした。You Tubeというコンテンツは理解できるけれど、やはり私は映画監督なので、最終的には劇場で公開することにこだわりました。後はオリジナル作品なので、脚本家と相談し、8分で1つのドラマを完結させるけれど、その8分が積み重なって95分になった時に1つの大きな物語が見える仕掛けしました。そうすれば、You Tubeと映画というコンテンツを両方兼ね備えた作品ができると思ったのです。
神戸に新しい映画祭が誕生する。5月30日(金)、31日(土)の2日間、OSシネマズミント神戸、神戸芸術センター、カフェ ネスカフェ 三宮、国際会館 会議室の4会場で開催される『神戸三宮映画祭』。現在、YouTube限定で公開し、半年で累計1,000万回視聴突破を目前にした「ネスレシアター on YouTube」で大好評を博した日本を代表する映画監督による質の高い新作が、日本の映画発祥の地である神戸三宮の劇場スクリーンで初公開される。
映画祭では「ネスレシアター on YouTube」で公開中の作品の上映だけでなく、佐々部監督、本広監督をはじめ、それぞれの作品の監督や各キャストも登壇予定。ネスレ日本と昔から縁の深い岩井俊二監督も招いてのプレミアムトークショー他、監督自らがファシリテーションを務め、映画について真剣トークを繰り広げるカンファレンスや、映画製作にまつわる裏話トークなど、映画の裏側や生の声が存分に楽しめる企画も用意されている。
続いて行われた佐々部清監督、本広克行監督、岩井俊二監督によるトークセッションでは、「今、日本の映画界ではなかなか自由なものが撮れない。日本映画監督協会に530人在籍しているが、昨年は91本しか製作しておらず、ほとんどの監督が映画を撮れていない状態。ネスレシアター on YouTubeで映画を活性化し、オリジナルの脚本で映画を撮ることで、監督や現場もモチベーションを高く持つことができる」(佐々部清監督)、「最初1分観たら、最後まで見たくなるような短編を作った。日頃はエンターテイメント監督だが、今回は自分の体験談を映像化しており、若いスタッフにもチャンスを与えることができた。映画は人の人生を変える力がある」(本広克行監督)、「日本は東京中心で映画製作をしているが、地方発全国映画の拠点に神戸がなればいいのではないか」(岩井俊二監督)と、ネスレシアター on YouTubeや、神戸三宮映画祭に寄せる期待を語った。